toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

原料米

秋になり、田圃で収穫された種籾の水分は、天気にもよりますが、23~25%もあり、そのままではカビや細菌や昆虫やダニの被害にあいやすくなりますので、長期間の保存をするためには乾燥させることが重要なのです。 今ではあまり見かけなくなりましたが、田舎…

枯草菌

枯草菌(バチルス・サチルス)とは、枯れた草と書いてあるように稲わら、枯れ草、落ち葉等の枯れた草の中に多く存在します。 ですから昔の麹室は断熱材として多くの蔵元で稲わらを麹室の断熱材代わりに使用していたことから、麹室の中に枯草菌が侵入しやすい…

釜屋の朝は早い

酒造りにおいて、一麹、二酛、三造りと言う言葉がありますが、現在でもそれに通ずるとこはあるのですが、やはり良い蒸米ができなければ麹も酒母も造りもすべて台無しになってしまいます。ですから米の洗米と浸漬次第で酒の酒質が大きく変わってしまうことを…

水の加工

清酒製造において鉄分やマンガンがないことはもちろんですが、有効成分としては、微生物の栄養素としてのカリ、マグネシウム、カルシウム、クロールなど酒造りに必要な成分も水の中からと米から供給されるのです。 一般的には不足することはないのですが、醗…

飲む点滴

古くから飲む点滴といわれてきた甘酒。甘酒の歴史は古く、古墳時代にまで遡ります。 奈良時代に編纂された日本書記に甘酒の記述があり、これが起源といわれてます。 平安時代には貴族が冷やした甘酒を飲んでいましたが、その後江戸時代になると庶民にも飲ま…

世界の醗酵酒

お酒とはエチルアルコールが含まれた飲料のことです。製造方法や原材料は様々ですが、共通しているのは原材料から微生物の力でアルコール醗酵させることです。 アルコール醗酵を行うのは主にサッカロマイセス属の酵母ですが、酵母以外にも麹カビ(アスペルギ…

醗酵食品の歴史

醗酵食品は地球上のあらゆる分野で人間の生活と携わり、世界のあらゆる場所で様々な醗酵食品を人類は作りあげてきたことでしょう。 その中でも酒は人類の歴史を映し出しています。たぶん世界最初の酒と言われるものは、猿が果物の実などを集めて蓄えておいた…

造り酒屋と活性炭

江戸時代の三大豪商の一人灰屋紹由と灰屋紹益親子がいました。この当時は、飯を炊くにも、暖房にも風呂を沸かすにも、すべて薪を使用していたため大量の灰が集まったのでした。 この灰の主成分は、カリウムで植物の三大栄養素のひとつです。この集めた灰を地…

造り酒屋での数学

さてここでは清酒業界の人でも特定の人しか携わることのない上槽した後に行う検定から説明します。醪を上槽した後、生製した清酒や酒粕は、かつては税務職員の立ち合いのもとでなければ、販売したり、消費することはできない時代がありました。それほど酒類…

火入と割水(加水)

最近の火入れ方法では、一度瓶詰めしてから一本ずつ火入れする瓶燗方式にしてる蔵元が多くなってきてると聞いてますが、これは一番品質が安定すると言われてるからです。ですがまだまだ主流派は、蛇管による火入れが多いと思われますので、こちらの説明をし…

酒造りは米作りから

さて昔から良い水のある所に酒屋ありといわれるように良い水と肥沃な大地は米作りに欠かせないものです。平成の前半までは、全国各地で作られたコシヒカリが一度新潟のJAに納品されその後、魚沼産コシヒカリとして売られていたことがあると噂されていまし…