toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

醗酵食品の歴史

 醗酵食品は地球上のあらゆる分野で人間の生活と携わり、世界のあらゆる場所で様々な醗酵食品を人類は作りあげてきたことでしょう。

その中でも酒は人類の歴史を映し出しています。たぶん世界最初の酒と言われるものは、猿が果物の実などを集めて蓄えておいたら自然に出来上がっていた猿酒の類の酒だったと言われております。

その後いつの間にやらどこで出来上がったのか、およそ8000年前のメソポタミアの先住民シュメール人の遺跡からワインが造られていたと推定されます。その当時世界最古の醗酵食品は、牛乳から偶然できたヨーグルトとも言われます。

その他シュメール人達は、楔形文字でビールの作り方を記録していたのです。古代エジプトでは、ビールやパンについての記述も残っているのです。

その当時このあたりの水は、そのままでは雑菌が多過ぎて飲むことが出来なかったため、一度醗酵させてから雑菌を淘汰させると安心して飲めるようになるため発展したとも言われています。

メソポタミアで始まったワイン造りは3500年前(紀元前1500年)にはヨーロッパ諸国に伝わっていきました。その後ローマ帝国の繁栄とキリスト教の広がりとともにワインも伝達されていきました。

日本でも神代の昔から酒は飲まれていたようですが、およそ2000年前の弥生時代に稲作が伝わってきた頃にはできあがっていたと推測されています。この当時の酒の造り方は、口噛み酒と言われ神社の巫女が、加熱した米を口の中で良く噛み、唾液に含まれる酵素の力を利用して醗酵させてたものです。神話に残るスサオノミコトがヤマタノ大蛇を倒すために造らせたお酒が酒造りの起源ともいわれておりますが、あくまで推測の域をでません。

現在の麹と酵母を組み合わせた並行複醗酵がいつ頃成立したのか定かではありませんが、10世紀初めの延喜式にはすでにこの製造方法が記載されています。

こうして人類は実に様々な醗酵食品を編み出してきたのです。日本だけでも、醤油にみりん、味噌、焼酎、納豆等、世界的には、ビール、ワイン、パン、チーズ、ヨーグルト、ウイスキー、世界一臭い食べ物のシュールストレミング、中国の饅頭、豆板醤、タイのナンプラー、ウーロン茶、紅茶等も醗酵食品の仲間です。数えあげたらきりがありませんが、醗酵食品は体に良いと言われてますのでできるだけ食べていきたいものですねぇ。