toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

原料米

秋になり、田圃で収穫された種籾の水分は、天気にもよりますが、23~25%もあり、そのままではカビや細菌や昆虫やダニの被害にあいやすくなりますので、長期間の保存をするためには乾燥させることが重要なのです。

今ではあまり見かけなくなりましたが、田舎の田圃では秋になると、木材でやぐらを組みたてて昔ながらの「はさぎ」に掛け天日干しで自然乾燥させてる農家の方を見かけたことはあるでしょう。

今では手間が掛かりすぎるため、脱穀、籾摺り、乾燥まで大型の機械でできるようになりました。

そして乾燥された玄米は、北海道、東北地方以外では、基本玄米水分は15%となってます。これは東北地方の日照不足から玄米水分16%でも良いと認可されているのです。

一般的に日本で食べられているお米は水稲うるち米と呼ばれています。

その他におもち用の水稲糯米とに大別されています。玄米の検査基準ですが、一般米と酒造好適米では検査基準が少し違います。

酒造好適米は粒が大きく中心部に白い不透明な部分(心白)がある米です。

一般米の3等基準の整粒歩合(被害粒、死米を除いたきれいな粒)は45%であり、2等で60%、1等で70%の整粒歩合なのです。

醸造用玄米はさらに厳しい検査基準で3等米で整粒歩合70%、2等で80%、1等で整粒歩合90%と大変厳しいものでしたが、現在では整粒歩合は一般米と同じ基準でありますが、1等の上に特等で80%、特上で90%となってます。

玄米の成分ですが大部分がでんぷんで玄米の表層部分や胚芽には脂質、たんぱく質、灰分やビタミン類が多く含まれています。

そのために酒造りに適したでんぷんだけを残すために精米をします。

玄米の表層部分は柔らかいので米同志お互いを強くすり合わせるだけで取り除くことができます。だいたい飯米と同じ90~92%の白米ができます。

だいたい70%位まで精白するとたんぱく質、脂質、ビタミン類はほとんどなくなります。70%以上精白していくと、米の内部はだんだん固くなってきますので、金剛ロールと呼ばれる硬い砥石で高速で回転させて磨きます。この金剛ロールですが初めて聞いた時は「え!」ダイヤモンドで出来てるの?と勘違いしましたが、固い金剛砂(カーボランダム)と長石を混ぜ成型して焼いたものです。

この金剛ロール、古くなると交換しなくてはならないのですが、150万~200万もするので、なかなか交換してくれないのですが、古くなると精米に時間がかかるので、早く交換するに限りますね。