toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

酒造りは米作りから

さて昔から良い水のある所に酒屋ありといわれるように良い水と肥沃な大地は米作りに欠かせないものです。平成の前半までは、全国各地で作られたコシヒカリが一度新潟のJAに納品されその後、魚沼産コシヒカリとして売られていたことがあると噂されていました。

その当時、淡麗辛口で有名になったある蔵元のラベルだけ張り替えて売る業者もあっと聞きます。そのころは、全国のあちこちで、産地偽装や加工米を飯米として販売したりと見つからなければ、何でもありの時代でした。数えあげれば切りがありません。

さて米作りですが、まずもみ殻のついたままの種もみを用意します。夏子の酒でもありましたね。塩水選と言われる塩分濃度20%にした水の中に種籾をいれる。するとあまり成熟していない種籾は浮いてきますので、沈んだ種籾だけを使用します。

次に種籾は、病気の原因となるカビや細菌に汚染されていることがあるので、種まき前に種子を消毒します。60℃で10分間入れ、いもち病や紋枯れなどの対策をします。

その後浸種と呼ばれる15℃から20℃に冷ました水温で約一週間(積算温度は100度)、その後催芽と呼ばれる35℃~37℃の湯水に二晩浸漬する。まるで酒造りでいうと麹をつくるようです。

次に播種(はしゅ)と呼ばれる苗箱に種をまきます。1箱に100g~150g使用。種まき後、ビニールシートなどで覆い30℃前後の育苗器の中で約48時間ほど保温しておくと小さな芽が出芽します。

約二週間ほど育苗すると5㎝ほどに育てばそろそろ田植えになりますので田圃を耕起して代掻きをして平らにします。だいたいゴールデンウィーク前後に農家の方が田植えをしてるのを見た事がある人はいると思いますが、この田植え、昔は朝から晩まで一人でやってたった1反歩しかできませんでしたが、現代の機械なら1反歩なら30分もあれば終了してしまいます。楽になったものです。

さてこれからは水管理がひつようになりますが、田植え後30日はできるだけ水を切らさないように、朝と夕方に田圃の見回りを欠かすことができません。その後田植えから1か月もすると分決と言って3~5株だった苗が増殖して7~10株程になります。

2か月半から3か月もすると出穂(しゅっすい)します。これは稲穂の穂がでてくること。穂がでてくるといつの間にかおしべとめしべが自然とくっついてます。

出穂後、稲の実をつぶすと乳白色の液体がでてきます。これから実の中は少しずつ固まり種籾に成長していきます。

あとは稲刈りですがこの稲刈りのコンバインですが、これがなかなか慣れてきても怖い乗り物ですね~、結構高さがあるので田圃の入り口(馬口)などで傾く時など、怖い怖い。それにもまして田圃の端の機械で刈り取りがしずらい場所などでは手で刈り取ってから機械に入れるのですがこのとき農家の人の手を巻き込まれる事故が多いのでお手伝いなどする際は、慎重にやりましょう。

参考までに田圃の面積ですが、一歩=約3.3㎡=一坪

30歩=一畝(いっせ)=約100㎡=1アール

1反歩=31.5m×31.5m=992㎡ 

10反歩で一町歩=1ヘクタール=100m×100m=10000㎡とこんな感じですかね。ちなみに1町歩で米をつくるとだいたい90~100俵くらいとれるとすると5400Kg~6000Kg

一日当たり毎日1Kg食べても16年かかりますね。