toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

飲む点滴

古くから飲む点滴といわれてきた甘酒。甘酒の歴史は古く、古墳時代にまで遡ります。

奈良時代に編纂された日本書記に甘酒の記述があり、これが起源といわれてます。

平安時代には貴族が冷やした甘酒を飲んでいましたが、その後江戸時代になると庶民にも飲まれるようになりました。

甘酒は江戸時代、庶民の弱った体を回復させ、悪酔いも防ぐと考えられた健康食品の一つでした。この甘酒に含まれる成分は、ブドウ糖の他に、消化酵素、ビタミンB群、9種類の必須アミノ酸葉酸、数種類のミネラル等でこれらの栄養は栄養剤としての点滴の成分とほぼ同じ内容であることから飲む点滴と言われています。

それ以外にも食物繊維とオリゴ糖が含まれているため、便秘や整腸作用に効果があると言われている。

次に甘酒には数種類の作り方がありますが、ここでは100%麹だけで作る炊飯器甘酒を説明します。まず冷凍麹(-10℃)1Kgを炊飯器に入れ、1.2倍(始めは1L)の沸騰したお湯1000mlを入れるとちょうど70℃位になりますので15分ほどおいてください。すると麹の外側が殺菌されて酸度とアミノ酸が少ないきれいな甘酒ができあがります。15分たったら残りの水200mlか氷を加えて55℃から60℃に調節してください。長時間高い温度ですと酵素が失活して甘くなりませんし、低すぎても甘くなりませんので注意してください。

炊飯器でつくる場合、保温機能が60℃から70℃とメーカーにより異なるので、蓋を開けてタオルなどで塞ぐなど工夫してください。

その後8時間から10時間位55℃前後をキープしながらたまにかき混ぜてください。攪拌しないとキャラメルみたいなアミノカルボニル反応を起こし茶色い甘酒になるときがありますので注意しながら保温すると栄養豊富な生の甘酒ができます。

ちなみに生の甘酒はおいしいし栄養満点ですが、冷蔵庫にいれても賞味期限は3~4日と短いので腐敗する前に飲み干してしまいましょう。ちなみに甘酒のブドウ糖はカロリーは高いのもちろんですが、吸収されにくいと言われておりますので、たくさん飲んで健康を保ちましょう。