toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

秋の稲刈り

だんだんと寒くなり、今年はイベントが軒並み中止となり、季節感を感じる事も無く、酒造りの季節が近づいてきました。

毎日のように田圃を見ていると、そろそろ刈頃だなと思ったり、こんなに倒れてしまい、稲刈りも大変だし、病気にも掛かりやすくなり、水に濡れたら籾が発芽したりと良いことはありません。

これは、台風や日照不足の場合もありますが、収穫量を増やしたいと思う農家の多くは肥料のやり過ぎで茎が伸び過ぎてしまい、根元部分が弱くなる事で倒伏します。

酒造好適米の場合、多くは長悍品種のため倒伏しやすいのです。

ですから酒造好適米を栽培してくれる契約農家さんは大体やる気のある努力してくれる方が多い傾向なんです。

そういえば、以前契約農家さんの稲刈りをお手伝いしたのですが、大型のコンバインは高さもあり、田圃の馬口(入口のこと)に道路から入る時、田圃と道路の落差がありまして、ある意味ジェットコースターより怖いかも知れません。

このコンバインの刈取る姿はまるで、風の谷のナウシカに出てくるオウムの様です。

コンバインで刈取りをしていると、カエルやイナゴ等の虫達が、逃げ出すため多くのカラスや白鷺等が飛来する光景は、自然の摂理を感じます。

そんな時、コンバインで刈取りをしているとタヌキがいました。

稲穂を刈取りしていくと、タヌキはまだ残った稲穂の方に逃げ出すものですから、どんどん逃げる場所がなくなり、轢いてしまうかもと思いましたが、やっと逃げ出してくれました。

今年はコロナの影響で、米の値段も去年よりも一俵辺りの単価が¥1000程安くなっています。

買い取る蔵元にはありがたいのですが、専業農家さんにとっては、1000円安いと100万円単位で収入が減少するのです。

そんな貴重なお米の一粒一粒を大切に今年も良い酒を醸すため、精進してまいります。