toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

吟醸香とは?

さて、日本酒好きの方なら聞いたことあると思いますが、夏子の酒でもでてきた言葉

「着け香」日本酒に後から香りをつけて、

余り美味しくない日本酒でも香りを高くすることで、それなりに美味しく感じてしまうように人工的に造った日本酒。

日本酒を造る過程で、醪で醗酵してる時に、

香り高い天然の高級アルコールの酢酸イソアミルやカプロン酸エチル等を吟醸香集積装置(ヤコマン)を使い、香りの元だけを凝縮させるのです。

この当時、出品酒のためにどこの蔵元でも

持っていたと思いますが、市販酒に使用していた蔵元も否定できません。

この当時、画期的発明でした。

確か、高精白米で、低温醗酵させて7号酵母でヤコマンを使うと、何とも言えないフルーツやミカンを思わせる香りが、蔵の中を漂うのです。

全国で金賞を取るために、ヤコマンを使い後から香りを着け香していたのは、今から30年以上前だったことです。

しかしながら、時代と共に高級アルコールを出す酵母の出現で廃れてきました。

そんな時代を重ねながら、飲酒運転が問題視されるようになってから、目を着けたビール会社が、このヤコマンを使い麦芽液に、このビールの香りを着けることで、ノンアルコールビールを造りました。

この他に、ワインの香りを抽出して、ノンアルコールワインやワイン風味の洋菓子等の

食品への利用へと広まりました。

りんごの香りのするカプロン酸エチル等は

ある有名な大手の飲料水に入っていること

と思います。

日本酒の世界では、卑怯な手口と嫌われましたが、こうして違う業界で活躍できて発明した醸造家の方もほっとしたことでしょう。