toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

大豆からできる味噌と醤油

醤油の起源には諸説ありますが、紀元前700年頃の中国:周王朝の古文書『周礼』に『醤(ひしお)』の記述があり、ひしおがその起源ではないかと言われてます。

日本に伝来したのは、縄文時代から弥生時代と言われており、魚を原料としたひしおに似た類のものがあったようです。

本格的に作られるようになったのは、4~6世紀の大和朝廷の頃といわれてます。この時期のひしおは、食品保存のための塩漬け醗酵食品のことだと思われます。

奈良時代になると、中国や朝鮮半島経由で、穀物を原料とするひしおが伝わり、今日の醤油の元祖と言われております。

味噌の起源も同じ頃のことであり、醤(ひしお)になる前の大豆がとてもおいしかったことから、未だ醤(ひしお)にならざるものとして、『未醤(みしょう)』と呼ばれたのち味噌(みそ)に変化したものと言われています。

現在の味噌は、おおまかに米味噌と麦味噌と豆味噌の3種類に分けられます。

一番生産されている米味噌は、熟成期間を短くするために米麹を多く使用しています。

米麹の白味噌としては、信州味噌、西京味噌などが有名であり、米麹の赤味噌としては、津軽味噌、仙台味噌などが有名です。

麦麹を使用した麦味噌は、主に九州、中国地方で造られています。

豆麹を使用した豆味噌は、名古屋近辺のみで造られている味噌で、熟成期間が長いので、濃い赤茶色をした味噌で、米味噌や麦味噌に比べて、甘みが少ないのですが、渋みと旨みが強いのが特徴で、名古屋では『八丁味噌』と言われています。

味噌と醤油は塩味を基本とした調味料ですが、味噌をさらに醗酵させて圧搾、上槽させたものが、醤油の起源でしょう。

一般的に、醤油は関西圏では薄口、関東圏では濃い口といわれておりますが、実は、濃い口より塩分濃度は高いのです。塩分を多くし麹の量も少なくして、熟成を抑えることで色を抑えながら造るので色が薄いのです。

昔から、『手前味噌』という言葉がありますが、自分で自分のことを褒めることをいうのですが、手前味噌とは、自分の家で造った味噌が一番美味いという意味があります。

他にも味噌に関係する言葉として、味噌を擦る=胡麻を擦る=相手にへつらうこと

味噌汁一杯三里の力=味噌汁一杯で三里を歩く力がつく。

女房と味噌は古いほど良いに対して反対の意味に女房と畳は新しい方が良いがあります

このように昔から味噌は、様々な用途に利用されてきたのでしょう。