toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

2019-01-01から1年間の記事一覧

麹の話2

さて切り返し終了後、次の日の朝8時盛りと呼ばれる作業がありますが、これもまた切り返し同様に大変重労働な作業なのです。 朝の8時だと切り返し後16時間たつとぽつぽつと蒸米の表面に増殖した麹菌が肉眼で見えるようになります。 このとき品温は、32~33℃…

麹の話

江戸時代以前には、掛け米には白米が使用されてきましたが、麹は玄米を使用していたみたいです。(たぶん90%~99%)掛け米のみに白米を使用し、麹米には玄米を使用することを片白といい、掛け米、麹米ともに白米を使用することを諸白とよばれていまし…

酒蔵の米洗い

精米した酒造好適米を2週間ほど枯らしてから洗米していくわけですが、昔は半切り桶に冷たい水を張り足で踏んだり、手で手洗いをしたりと過酷な環境だったことはご存知のかたも多いと思います。 半切りで手で洗う場合は、10Kgごとにざるに入れて冷たい水(5℃…

酒造好適米

日本で栽培されているお米は主にジャポニカ米と呼ばれるもので、インディカ米はパサパサしてますが、日本の米はもちもちしてるのが特徴です。 お米の種類は何百種類とあるが、稲には早く成熟するものと遅く成熟するものがあります。 出穂の早い稲が早稲種、…

酒造用水

酒造りにおいて水は大切な原料であり、作業のためにも必要であり、水の良い所に造り酒屋は建てられてきたと言っても過言ではない。古くから銘酒は良い水から生まれると言われる所以である。 清酒の成分のうち80%以上は水が占めている、また清酒の原料となる…

杜氏の蔵入り

秋になり米の収穫も終る頃、杜氏は蔵人を連れて蔵元に入蔵する。 だいたいが、蔵人は当時の出身地を中心に親戚縁者などを使用してきたこともあり、酒造りの集団は同じ区域内で形成され、その地域の名称で呼ばれて、丹波杜氏、越後杜氏、南部杜氏、但馬杜氏等…

杜氏集団

最近では、日本酒ブームも重なって、酒造り体験ツアーなどがあると耳にしますが、働いている者にとっては、なぜツアー料金を支払ってまでただ働きにいく日本酒ファンがいると聞きました。 今も昔も手間ひまかけて造る高級酒は昼も夜もない蔵人の生活の上に成…

杜氏の酒造り雑学

皆さま、はじめまして現役杜氏の酒造りにまつわる話と雑学や時事ネタなど交えながらブログを書いていきたいと思います。 清酒は江戸の初期(1603~1680年頃)まで一年中仕込んでいましたが、次第に温度管理が必要なため温めるだけで温度管理のしやすい寒造り…