toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

麹の話

江戸時代以前には、掛け米には白米が使用されてきましたが、麹は玄米を使用していたみたいです。(たぶん90%~99%)掛け米のみに白米を使用し、麹米には玄米を使用することを片白といい、掛け米、麹米ともに白米を使用することを諸白とよばれていました。

江戸時代になると酒の品質が良くなると、次第に全国に広がりました。

麹米を洗米、浸漬した後、蒸気を入れて一時間程米を蒸かします。蒸米は外気で36℃前後に冷却してから麹室に入れるか、熱いまま麹室に入れた方が衛生的だと言う杜氏と二手に分かれます。

さてこれから床揉み&種切をしますが、種麹の使用量は、白米100Kg当たり100gが一般的でありますが、吟醸クラスだと酒母麹で50g、添麹で40g、仲麹で30g、留麹で10~20gと突き破精型になるように使用量を調節します。

突き破精にするには使用量ばかりじゃありませんが。この種切ですが普通は細かい網の目のザルみたいなもので振りますが杜氏によっては、後ろを向いて振ったり、ティッシュペーパーで振ったりとこだわる人もいるみたいです。

何故かと言うと麹菌の菌糸の先に胞子があるのですが、この胞子だけを蒸米表面に付着させたいからです。

こうして種切が終了したら31℃~33℃にし、夕方の切り返しまで温度が下がらないように保温します。

床揉み後夕方16時以降、蒸米をくずして塊をほぐして手のひらを使い蒸米をえんえんとほぐしていきます。この時麹室の中は30℃以上ですからサウナ以上に汗だくとなり、減量になりますね~。

こんな暑い中での作業ですから蔵元によると全員下も無しの裸で切り返しをやっていたとこもあると聞いたことがあります。確か九州のほうだったかな?