toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

醗酵食品との共存共栄

大豆の祖先と云われてる蔓豆(ツルマメ)はより大粒の豆を選別し続けて大豆が出来たと考えられてます。

 

大豆があるおかげで、味噌、醤油、納豆など様々な醗酵食品が造られてきました。

多くの大豆食品を食べる日本人としてはありがたいことですね。

先日ラジオで、インドネシアの納豆と云われてるテンペがあっさりして美味くて、栄養価も高いと放送してました。

このテンペは、蒸かした大豆をバナナの葉でくるみバナナの葉に付くクモノスカビを利用して醗酵されてる様です。

ちなみに納豆は、稲ワラの中にいる枯草菌を利用して醗酵されてます。

インドネシアでは、テンペ以外にもキャッサバ(タピオカの原料)やもち米を醗酵させた甘いお菓子があります。

以外と醗酵食品が、多々ありましたね。

そして微生物の醗酵を利用した日本酒造りは微生物との戦いであり、共存共栄する間柄なのです。

毎年米の質や水の成分など変化するものですから柔軟に対応しなくてはなりません。

しかしなんと言っても、酒の品質に影響してくるのが麹菌や酵母菌と様々な微生物達です。

日本酒造りは、糖化と醗酵を同時に進ませる並行複醗酵という複雑な醗酵方法で製造する上に、微生物の働きのすべてが解明されてる訳ではありません。

昔に比べれば、酒造りの工程がずいぶん楽になったことも事実です。泡なし酵母の開発で泡消しの作業が無くなりました。

機械のない時代は、寝ずの番だと聞いてます。

酵母菌も今では、リンゴの香りやメロンやバナナ、バニラ、ミカン、ライチ、マスカット等様々な特徴のある酵母がたくさん開発されました。

微生物との付き合いは、難しいながらも自分の思い通りの酒になったときには、本当に嬉しいものです。

酒造りは、試行錯誤をしながらも、日本酒の奥深さを味わうことの出来る最高の仕事だと思います。

今年も無事に新酒が出来ました。