toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

小時飯(こじはん)

だいぶ秋も深まり、紅葉狩りの季節が近づいてきましたね。

若い頃は契約農家さんの稲刈りの手伝いをしたものです。

そんな時たまに休憩をしたのですが、普通の家庭ならば午前と午後の中休みの時にオヤツを食べる方も多いと思います。

この地方の農家の人限定なのか、オヤツタイムのことを小時飯(こじはん)と言います。

但しこのこじはん、ただのチョットしたオヤツじゃありませんでした。

小腹が空いたのを満たすどころか、本格的な食事に近いのです。

農家の人によるでしょうが、おにぎりやサンドイッチ等これでもかと食べ過ぎたものでした。

今年は、9月から10月にかけて台風や長雨の影響で、なかなか稲刈りができない農家が多かったようです。

稲刈りが遅れると様々なデメリットがあるので心配です。

その上、化学肥料に含まれる窒素のやり過ぎにより、稲がよく成長する代わりに茎が細くなりやすく倒伏した稲穂が、多く見られました。

稲穂が倒伏すると、稲刈りがやりづらくなるだけでなく、稲穂が水に浸水すれば、稲の病気を引き起こしたり発芽してしまうと収穫ができない等、様々な問題があります。

できるだけ株間をとり、丈夫な茎を作ることが大切なのです。

何よりも稲刈りのタイミングは、酒の品質に係る問題なのです。

酒造りにはできるだけ登熟した大きな玄米の方がいい酒になります。

しかし、食べるお米の場合、少し若い青米の入った米の方が食味が良いと言われてます。

今年も酒造り一年生のつもりで、美味しいお酒を醸したい(かもしたい)と思います。