toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

酒屋の井戸

人が生きて行くためには水が必要です。
昔から水の良い所に酒屋あり。と言われています。
酒と水は切っても切れない関係なのです。
ワインでもビールでもそうですが、大量の水がないと酒造りはできないのです。
日本酒は基本的に、米と水と米麹から造られています。
日本酒の製造工程では、始め米を洗い、浸漬しますが、ここでも大量の水を使用します。
その後、仕込際にも仕込水を使用します。
さらに出来上がった清酒に水を加えて、アルコール度数を調整するためにも使用します。
瓶詰めする時に瓶を洗浄するためにも使用します。
このように様々なシーンで大量に使用するため豊富な水が必要なのです。
昔は、川の水を利用していたのですが、起源前660年頃、初代神武天皇の頃に、日本最古の井戸が使われるようになったそうです。
残念ながら、造り酒屋でいつ頃から井戸水を使用するようになったのかは、はっきりしませんでした。
江戸中期頃には、ヨーロッパより手押しポンプが伝わりましたが、大正時代頃まで、全国の至る所で釣瓶桶(つるべおけ)を使い井戸水を使用していた。
大正時代になり、手押しポンプが普及し始めます。
現代においても、この手押しポンプは、東南アジア諸国やアフリカ大陸の多くの国で活躍中みたいです。
世界的には、まだまだ飲み水を確保出来ない国があるのです。
アフリカのサハラ以南の諸国では、家庭用の水を集めるのは、女性の仕事らしく毎日何時間もかけて危険で遠くの水源まで水をを運搬しています。
こうした国に日本の掘削技術や給水設備を長期に使用できるように技術的研修をしているそうです。
水を大切に使おうと考えさせられました。と同時にお酒も大切に飲もうと思いました。