toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

麹の起源?

皆さまも聞いたことがあると思いますが、酒は神代の昔からあると云われております。
この当時の口噛み酒とは、蒸かした米を巫女が口で噛みそれを器の中に吐き溜めて、唾液のアミラーゼによりデンプンがブドウ糖になり、野生酵母がたまたま入り込み自然に発酵したことが始まりと云われていましたが、よくよく調べてみると諸説あるようでした。
例えば、長野県の井戸尻遺跡から、縄文時代の土器が発掘され、その土器の内側に山葡萄の種が付着していたことから縄文時代には、山葡萄や野苺等の
ワイン様なものいわゆる猿酒みたいなものを縄文人は口にしていた可能性があるようでした。
その後、縄文後期には、常緑樹の樫の木の仲間の
どんぐりや栃の実、楢の実等のデンプン質の植物の皮を摂り、実を煮てから口で噛んで器に吐き溜めて口噛み酒ができたとさ!
現在のお米を蒸して、米麹で酒が造られるのは、
中国大陸から、稲作が伝わった約12000年前〜2500年前の縄文時代らしいのです。
稲作の栽培と技術と共に酒造りも伝わったと諸説あるようです。
おそらく縄文時代弥生時代には、麹菌の存在はあったと思われますが、米麹のでてくる最初の文献は
奈良時代の713年の播磨の国風土記にて、「神様に捧げたおこわが濡れて、カビが生えたもので、酒を醸して、酒宴を行なった」と記録されています。
さて、米麹の麹という漢字は、麦へんからなりますが、これは中国大陸では、麦で麹を造ることから生まれたもので、日本人は江戸時代に、米へんに花という国字を作りました。
これは蒸した米に、麹カビが付くとその胞子が花が咲いた様に見えたことから「糀」と命名されたようです。
しかしながら、初めてこのカビを繁殖させた麹を利用しようとした人は、実に勇気のある方で、頭の良い方だったと思われますねぇ。
あやかりたいものですね!