toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

若い頃には知らないことがいっぱいある!

そういえば、皆さまにもあると思いますが、若い頃には知らないことが、たくさんありませんでしたか?
私酔いどれ杜氏にもたくさんあったのですが、そのうちの1つの話を書きたいと思います。
今から30年位前だと思いますが、清酒業界では酒税を納めなくてはならないことから、旧大蔵省(現在財務省)管轄の各地方局の酒税指導鑑定官室というものがあるのですが、たまたまその先生達と懇親会の席でご一緒させていただいた時に、先生がガソリンの話をしていたので、何故なのか聞いた所、鑑定官室の仕事は酒税に係わることだけなのかと思ったら、なんとお酒全般と摘発油税(ガソリン)の技術系の職員であるというではありませんか?
知らなかった➰。
ちなみに海外からタンカーで運ばれてきた原油を蒸留して沸点により分類されるのですが、30℃〜180℃でガソリンやいろんな化学製品のナフサなど
180℃〜250℃で灯油やジェット燃料など、250℃〜350℃で軽油など、350℃以上の残油で重たい油が重油アスファルトになるのです。
まさか石油の残り物で道路ができてるなんて、若い時には知らないことがいっぱいあると思いました。
そこでアスファルトのことをググってみると、さらに驚いたのが、人類の歴史の中では、古来より接着剤や防水材として、紀元前3800年頃のメソポタミア文明インダス文明で栄えた遺跡から天然アスファルトが使用されてきたのです。
日本でも縄文時代には、天然アスファルトで補修された土器や土偶が出土しているのです。
文献としては、668年の日本書紀天智天皇即位式に燃える土として献上されたと記録されています。
もしかしたら、石油の歴史は酒の歴史より古いのかも知れませんね。
子供の頃のあれって何からできてるの?そんな気持を忘れずに酒造りに邁進したいと感じました。