toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

消毒液不足

さて、残念ながら、昨日の安倍総理の記者会見で感じた事は、多くの人が

感じたと思いますが、感染者のデータに基づいた出口戦略が示されないまま、

経済とのバランスを見ながら、判断していくという非常に曖昧な表現にとどまり

大阪の吉村知事のように、目標を掲げて感染者数が、これだけ下がってきたら

非常事態宣言の解除をしますとか、はっきりと数字の目標をたてて頂いたほうが、

一日でも早く収束させるためにも、自粛要請に従わない方たちにも、説得しやすいと

思いますが、そこのところが、はっきりしなくて残念でした。

ところで、今年度の酒造りも先月には、火入れも終了して皆造(酒造りの終了)を

無事迎えることができました。

当蔵元では、焼酎も蒸留しておりますので、今回は品不足のアルコール消毒液について

書きたいと思います。

当蔵元で、できる焼酎は、単式蒸留と言われる乙類焼酎になります。これは米や芋など

を醗酵させてから、醪を搾った後、蒸留すると水の沸点が100℃に対してアルコールの沸点は78.3℃と低い性質なのですが

これを利用して一度だけ火にかけて、液体⇒気体⇒冷やして液体と手順を踏みなが

ら、高濃度のアルコールが出来上がります。

これに対して、連続して何度も蒸留をして無味無臭のアルコールが、甲類焼酎です。

消毒用アルコールとしては、一般的には80%前後のものが、一番殺菌効果があると

いわれておりますが、あまりの品不足により、海外産の高濃度のスピリッツや焼酎まで

もが消毒用に使用しようと買占めがおきていましたが、残念ながら70%(最近では60%Ok)以下のアルコールでは、殺菌のための消毒には、あまり役に立たないことは実証されていますので、

低濃度のアルコールはもったいないので、ちびまる子ちゃんのお父さんのように胃の中

に入れて、体の中の殺菌をしてください。

やっとこ政府も、重い腰を上げ、免許を緩和して小さな蔵元でも、70%以上のアルコー

ルが瓶詰め販売できるようになりました。

しかしながら、70%以上の高濃度の酒税はなんと1L当たり700円~800円もかかるため

大変高額での販売になってしまうため、先月末政府は、やっと酒税を免除すると発表

しましたので、今月からは良心的な金額の高濃度アルコールが、店頭に並び始めると

思います。

マスク不足も深刻ですが、もう少しの我慢で、普通の生活に戻れることを願いつつ

出来るだけステイホームをしていきましょう。