toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

醪の話

とりあえず一般的な醪のことを書いていきたいと思います。

仕込み総米は1000kgで説明しますと、麹歩合20%で200kg、掛け米残800kgとします。汲み水歩合は125%だと1250Lとし、1000+1250=2250Lの醪ができます。

まず酒母は7%とすると70kgの酛となります。

次に添え仕込みですが三段総米の15%とすると麹米45kg、掛米105kg 計150kg汲水135Lとなる。

仲仕込は添仕込の1.9倍の285kg、麹米22%で63kg掛米222kg、留仕込では、添仕込の約3倍とすると495kgで麹米70kg掛米355kgの合計麹米200kg、掛米800kgとなります。

さてこれから3段仕込にいきます。まず添仕込は一般的に15℃で仕込なら水温=(水麹予定温度×2)-(水麹前温度)例えば水麹予定温度を8℃、水麹前温度を12℃なら水温=(8℃×2-12℃)=4℃の水が必要となる。

添仕込は第二の酒母と言われ、純粋に培養された酵母をさらに増殖させるために比較的高めに仕込ます。15℃で仕込なら蒸米温度=(仕込予定温度ー水麹温度)×F+水麹温度、ただしFの値は

添 中では5、留仕込では6とすると添仕込の場合(15℃ー10℃)×5+10℃=35℃の蒸米を投入すれば15℃で仕込ことができます。

仲仕込なら(8℃ー5℃)×5+5℃=20℃の蒸米温度になり、留仕込なら(6℃ー4℃)×6+4℃=16℃の蒸米温度が必要となります。仕込温度が低すぎて酵母の増殖が遅れると腐造の原因となりますので注意します。

仕込後の醪は通常一日一度ずつ上昇させていきます。6℃で留を仕込んだなら9日目には15℃となる。

醪は留仕込をして3日から5日目位までは櫂入れするにも重労働で中には無理に櫂入れをして櫂棒を曲げてしまったり、やりすぎて櫂棒を折ってしまった人もいました。案外櫂棒は高いので困ります。

留後2日~3日目は筋泡と言われる醪表面に数本の筋が見えます。醗酵が始まりました。留後3日~4日目になると白くて軽い泡となる。これを水泡といい、酵母が増殖しボーメ(糖分)は最高ボーメとなります。

米の種類や造り方にもよりますが最高6(-60)から8(-80)と甘酒みたいな状態になります。だんだんと炭酸ガスを盛んにだし、高泡の初期の岩泡と呼ばれ、品温が急に上がりやすい。

岩泡が黄色味がかってくるとだんだんと泡が高くなることを高泡と言う。だいたい5日~7日間続く、高泡が消えてくることを落泡というが、その後玉泡、地となり醪後半になると飯蓋(厚蓋)といわれる蒸米が溶け過ぎた時になりやすいが、最近では高グルク菌の種麹を使用すると出やすくなっている。

さて醪は毎日変化しているものですが、毎日器具を使い分析を行いその時の醪の成分により追い水をしたり、品温を上げたり、逆に品温を下げてあげたり(あまり下げる事はおすすめできない)とその時々の醪の成分により判断することが大切であります。