toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

蔵元見学パート1

本日は蔵元見学にご案内させていただきます。

それでは皆様、ようこそいらっしゃいました。

当店、見た目通りの造り酒屋でございます。

創業は江戸時代後期となり、今年で181年目を迎えております。

日本酒とは、米と米麹と水だけで造ります。

精米歩合により純米大吟醸とか純米吟醸とかに分けられるのですが、玄米を50%以下に削ったものが純米大吟醸と呼ばれます。

そして玄米を60%以下に削ったものが純米吟醸です。

次に玄米を99%以下に削ったものが純米酒と呼ばれます。

玄米を削る時に出てくる米糠ですが、外側の赤糠と呼ばれるものは、大体肥料として使われ内側の白い糠は、お汁粉などの上新粉やせんべい等の原料として使用されますので玄米を余すことなく、有効に使われております。

 

一部醸造用アルコールを加えた本醸造とか醸造用アルコールを添加したり糖類やコハク酸を加えた2倍醸造酒と呼ばれる普通酒もあります。

この醸造用アルコールですが、これが入れられる様になったのには歴史的背景があります。

第二次世界大戦時代の米不足の時に編み出された緊急避難用に造られた日本酒でした。

当時の日本政府は、税金を少しでも欲しいために醸造用アルコールを足して薄めて販売することを認めてきたのです。

それがずるずると現代まで続いてきてしまったのです。

さてこの醸造用アルコールの原料ですが、砂糖きびから砂糖を精製した後、残渣の廃糖蜜を発酵後蒸留したものです。

3年半年前に新型コロナが、始まったばかりの頃消毒用アルコールが不足してきたことを覚えているかと思います。

消毒用アルコールと醸造用アルコールは同じものです。

税金が掛かっているかの違いです。

その当時、全国のアルコールメーカーの蔵元には税金の掛かる醸造用アルコールがたくさんありました。

新型コロナが始まって2ヶ月程たった4月20日頃にやっと日本政府が免税措置を取りました。

こうして4月下旬頃には、全国の蔵元から税金の掛からない70%以上の消毒用アルコールが販売開始されて、少しずつアルコール不足は解消されたのです。