toujinomichiの日記

酒造りの四方山話

お酢と酒は親戚?

今回は、身体に良いとされ、ダイエットにも効くとされるお酢のお話をしたいと思います。
文献によりますと、お酢の起源は古く起源前5000年頃のメソポタミア文明の古代バビロニア(現在イラク辺り)記録には、ワインと共に干し葡萄やナツメヤシを利用してお酢を造っていたとあります。
日本では、応仁天皇の400年頃に和泉の国に酒造りの技術と前後して中国から伝わったとされてます。
奈良時代になると酢造りも盛んになり、朝廷はお酢を税として徴収する様になったそうです。
お酢は、塩と酒と醤油と共に古くから重要な調味料として四種(くす)と呼ばれ食膳に置く風習があったそうです。
このようにお酢が、昔から重宝されてきたのは、
食欲増進をもたらし、お酢の殺菌作用や防腐作用で魚介の酢漬け、米の酢めし、押し寿司、野菜の酢漬け等、食材の保存に活用されてきました。
その他、お酢には身体を柔らかくしたり、疲労に効いたり、動脈硬化脳卒中、高血圧予防に良い等、医学的にも解明されています。
お酢を愛用している人には、血中コレステロール値や中性脂肪を減少させ、体内の脂肪分解を促進しているようです。
さてお酢の造り方は、前半は清酒造りと同じように醪を造ります。
それから、糖化と醗酵をしながら、種酢を入れて
酢酸醗酵をさせて搾ります。
故に、双子の兄弟が大きくなり、それぞれ進む道が分かれ、旅立っていくのです。
健康のために、お酢を食べるようにしたいものです。

麹の起源?

皆さまも聞いたことがあると思いますが、酒は神代の昔からあると云われております。
この当時の口噛み酒とは、蒸かした米を巫女が口で噛みそれを器の中に吐き溜めて、唾液のアミラーゼによりデンプンがブドウ糖になり、野生酵母がたまたま入り込み自然に発酵したことが始まりと云われていましたが、よくよく調べてみると諸説あるようでした。
例えば、長野県の井戸尻遺跡から、縄文時代の土器が発掘され、その土器の内側に山葡萄の種が付着していたことから縄文時代には、山葡萄や野苺等の
ワイン様なものいわゆる猿酒みたいなものを縄文人は口にしていた可能性があるようでした。
その後、縄文後期には、常緑樹の樫の木の仲間の
どんぐりや栃の実、楢の実等のデンプン質の植物の皮を摂り、実を煮てから口で噛んで器に吐き溜めて口噛み酒ができたとさ!
現在のお米を蒸して、米麹で酒が造られるのは、
中国大陸から、稲作が伝わった約12000年前〜2500年前の縄文時代らしいのです。
稲作の栽培と技術と共に酒造りも伝わったと諸説あるようです。
おそらく縄文時代弥生時代には、麹菌の存在はあったと思われますが、米麹のでてくる最初の文献は
奈良時代の713年の播磨の国風土記にて、「神様に捧げたおこわが濡れて、カビが生えたもので、酒を醸して、酒宴を行なった」と記録されています。
さて、米麹の麹という漢字は、麦へんからなりますが、これは中国大陸では、麦で麹を造ることから生まれたもので、日本人は江戸時代に、米へんに花という国字を作りました。
これは蒸した米に、麹カビが付くとその胞子が花が咲いた様に見えたことから「糀」と命名されたようです。
しかしながら、初めてこのカビを繁殖させた麹を利用しようとした人は、実に勇気のある方で、頭の良い方だったと思われますねぇ。
あやかりたいものですね!

若い頃には知らないことがいっぱいある!

そういえば、皆さまにもあると思いますが、若い頃には知らないことが、たくさんありませんでしたか?
私酔いどれ杜氏にもたくさんあったのですが、そのうちの1つの話を書きたいと思います。
今から30年位前だと思いますが、清酒業界では酒税を納めなくてはならないことから、旧大蔵省(現在財務省)管轄の各地方局の酒税指導鑑定官室というものがあるのですが、たまたまその先生達と懇親会の席でご一緒させていただいた時に、先生がガソリンの話をしていたので、何故なのか聞いた所、鑑定官室の仕事は酒税に係わることだけなのかと思ったら、なんとお酒全般と摘発油税(ガソリン)の技術系の職員であるというではありませんか?
知らなかった➰。
ちなみに海外からタンカーで運ばれてきた原油を蒸留して沸点により分類されるのですが、30℃〜180℃でガソリンやいろんな化学製品のナフサなど
180℃〜250℃で灯油やジェット燃料など、250℃〜350℃で軽油など、350℃以上の残油で重たい油が重油アスファルトになるのです。
まさか石油の残り物で道路ができてるなんて、若い時には知らないことがいっぱいあると思いました。
そこでアスファルトのことをググってみると、さらに驚いたのが、人類の歴史の中では、古来より接着剤や防水材として、紀元前3800年頃のメソポタミア文明インダス文明で栄えた遺跡から天然アスファルトが使用されてきたのです。
日本でも縄文時代には、天然アスファルトで補修された土器や土偶が出土しているのです。
文献としては、668年の日本書紀天智天皇即位式に燃える土として献上されたと記録されています。
もしかしたら、石油の歴史は酒の歴史より古いのかも知れませんね。
子供の頃のあれって何からできてるの?そんな気持を忘れずに酒造りに邁進したいと感じました。

退院後の食生活

先月に大腸憩室炎のため、入院してましたが、3週間ほどで退院できました。
長引く入院生活と院内感染予防のため、病院のフロア以外移動禁止となっておりまして、毎日一日中点滴ばかりしてましたので、かなりの運動不足になりました。
しかしながら、嬉しいことに私酔いどれ杜氏は何十年ぶりかに、自然に減量できました。
しかも、ガンマGTPも正常値に戻り、血圧も下がり血中コレステロール値も下がりまして、たまに入院するのも健康管理には、良いのかも知れませんね。
病院の食事というのは、カロリーも抑えつつ、野菜を中心にした食事でしたので非常に健康的な毎日でした。
今までは、日本酒造りの生もと造りの乳酸菌も何かしら役に立っているのだろうと、漠然と考えておりましたが、調べてみると、腸内の善玉菌の割合では
ビフィズス菌が99.9%で、乳酸菌はたったの0.1%なのです。
しかも、中高年を過ぎると年齢と共に、ビフィズス菌は減少するらしく、生きたまま腸内まで届くビフィズス菌入りのヨーグルトなどを摂取するのが効果的らしいので、退院してからは、毎日野菜とヨーグルトなどを摂るように心掛けています。
これからは、ビフィズス菌入りの日本酒でも検討してみようかな?
まあ、お酒好きの方に、健康的生活を考えている人はいないかも知れませんが?
皆さまも健康にはご注意を!

パーフェクトな自粛生活?

世界中に猛威をふるう新型コロナウイルス、きちんと自粛する人、出歩く大人たち、わたくし酔いどれ杜氏は、完璧な自粛生活を余儀なくされました。
日頃の暴飲暴食に加え、食生活のバランスも良くなかったのでしょう。
先週から絶食入院生活に、突入いたしましたー!
今から1週間前の夜中に突然、お腹がゴロゴロしだしました。まあ、お腹を暖めてあげれば治るだろう
と軽く考えていたのですが、痛みで眠れません。
朝方になっても、痛みが治まらないので病院に行ったところ、大腸(結腸)憩室炎(けいしつえん)と診断されました。
初めて聞く病名でしたが、欧米型の食生活の変化で増加してる疾患の一つだそうです。
長年の便秘や、腸管の痙攣で、腸内の圧力が上昇すると弱い部分が圧力に負けて、孔(あな)が開いてしまうのです。
たまたまその開いた孔に内蔵脂肪が重なり、出血とまではいかなかったみたいですが(笑)大腸の内部で、炎症を起こして入院となりました。
この病気は、ネットでググると、アルコールの飲み過ぎもありますが、赤身肉も発症が高まるらしいです。これを鶏や魚にすると低下するらしいです。
対策として、食物繊維を多く摂り、発酵食品や野菜を摂る食生活を心がけます。
しかしながらこの病気、薬では治らないとのことで
治療には、胃や腸を休ませる絶食のみとのこと。
お陰さまで、大変苦痛な自粛生活となりました。
そんな訳で、1日中点滴で栄誉はとっていてもお腹が空くのは、辛いです。また身体は自由に動きますから、暇すぎて仕方がありません。
そうかといって、運動するわけにもいきませんし
まして入院しているものですから、院内感染しないためにも入院しているフロア以外、立入禁止となっております。
売店にも行けませんので、ひたすら横になりスマホ
を操作するだけの毎日、TVを観ても、グルメ番組は、苦痛であり、水とお茶しか飲めませので、もはやジュースのCMさえ苦痛です。
ホントに、退院したら食生活に気を付けようと本気で思うようになりました。
これからは、お酒は少しだけしか減らすのは難しいですが、胃や腸に優しいと思われる発酵食品や野菜やフルーツなど、摂るように心がけ、できるだけ
脂物や赤身肉は避けていきたいと思います。
皆さまも、健康には、くれぐれもご注意下さいませ!

奈良時代の酒に氷?

さて今から遡ること1300年前、天武天皇の孫で高市の皇子の息子の長屋王は、高貴な血筋だけでなく極めて優秀だったことから、草壁皇子の娘吉備内親王正室に持ち、当時左大臣藤原不比等との娘を側室に迎え、藤原不比等亡き後、大納言、右大臣、左大臣と出世街道まっしぐらと進み、政治の実権を握った。
最初に氷の記述が登場するのは、313年頃の仁徳天皇時代の延喜式によると天皇家の氷室村の場所が示されてるようです。古代、池にできた氷を氷室と呼ばれる
(深さ2、3m周囲10m以上おそらく5トン〜10トン)
をすすきや稲わらでおおい保管庫として夏に利用したのだろう。
日本書紀によると当時、天皇家以外では、貴族の中でも特別な存在しか使用できなかったが、長屋王は、氷を酒に浸して使うとあり、今のオンザロックのように飲んでいたらしい。

その後、966年頃の清少納言の関わった枕の草子には削り氷に甘葛煎(あまづら)を掛け氷菓子として、食べていたらしいし、その後の源氏物語にも、夏の暑さをしのぐため、氷を身体に付けたりしていたみたいです。

しかしながら、この長屋王の時代は長くは続かず、藤原四兄弟にはめられて、朝廷から謀反の疑いを受け、自害しました。
江戸時代になると、氷に多摩川の水を入れて冷水として飲まれていたらしいしが、衛生が悪く腹を壊すことがあり、
慣用句として「年寄りの冷や水」と云う言葉ができたとさ!

ウイルスと細菌?

この世には、数多のウイルスや細菌が存在しますが、身体に良い細菌は、数多くありますが、身体に良いウイルスは、聞いたことありませんねー。

最近、世界中を騒がしてるコロナウイルスやインフルエンザウイルス、食中毒で有名なノロウイルス等ありますね。
そこで、大きさを調べてみました。
ウイルスは、 0.1um=10000分の1㎜、
細菌は、1um=1000分の1㎜
酵母菌は、10um=100分の1㎜
麹菌は、100um=10分の1㎜
とこのような大きさであります。

そしてウイルスとは、食品や金属、まな板、テーブルに存在しても増殖はしませんが、生きた細胞の中に入り込むとその細胞に自分と同じ体を作ってもらう方法で、増殖します。
そういう訳で、ウイルスは、持込まない、拡げない、加熱する、付けないこと
が重要です。
感染経路として、生野菜とか感染者が調理した食品や、患者の嘔吐物からの2次感染、飛沫等による感染等以外にもノロウイルスが海へ流れ、二枚貝類に感染し、それがまた人間の口に入るという悪循環になりかねませんので、中心部まで十分に加熱しましょう。

続いて、食中毒細菌が増殖するためには
栄誉と水分と空気が必要です。これは以前説明した火落ち菌と同じです。

細菌は、10℃〜60℃で増殖し、35℃前後でよく増殖します。ここは清酒造りの麹菌と同じですね。
水分は、20%以下では、発育しません。主な食中毒細菌として、腸炎ビブリオ
大腸菌サルモネラ菌コレラ菌赤痢菌、ブドウ球菌ボツリヌス菌カンピロバクター等、実に様々な菌があります。
よくニュースとかで耳にする病原性大腸菌Oー157は牛などの腸管に生息します
これらが原因で牛のレバー刺しが禁止になったことは、記憶に新しいですね。

次に、家畜や鶏からカンピロバクターに発症するとまれに、ギランバレー症候群という全身の神経に炎症が起きる難病になることがありますのでご注意下さい。
最後に、日本人の場合、生卵を食べますが、海外では珍しいのです。
日本では、卵の殻ごと塩素系洗浄しますが、海外では洗浄しませんので、サルモネラ菌が付いたまま出荷されるので日本以外の国では、必ず加熱しないと食中毒となるでしょうね。
しかしながらこの生卵、殻の中の卵白に囲まれた状態なら、賞味期限より2週間位(個人的に)日持ちしますが、割ってから混ぜ込むと栄養豊富な黄身を介して
常温なら1〜2時間でサルモネラ菌が増殖する可能性がありますので早めに加熱しましょう。